Oh My Diary

金融機関に勤めてるけど、WEBサービスやアプリにも興味のある男が気になった話題やニュースや思ったこと、好きな音楽や漫画の話をします

投資に興味のある人にオススメの小説3作品。

投資に興味のある人や、金融の仕事について知りたい方にオススメの小説です。フィクションではありますが、事実に基づいているところもあり、楽しく勉強することができます。投資のテクニック等は書かれていませんが、経済の大方の流れを掴むには良いと思います。

 

①トリプルA 小説格付け会社

格付け」の評価を巡り、単なる意見の表明に過ぎないとする格付会社と、それに反発する金融機関との間に軋轢が生じつつあったバブル期の日本。若き銀行マン・乾慎介、生保社員・沢野寛司、格付会社アナリスト・水野良子らそれぞれの波乱に満ちた生きざまを通して、日本を揺るがした金融危機の実相と格付会社の興亡を迫真の筆致で描く話題作!  

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 格付けとは何か?が物語を通してわかりやすく描かれています。格付け会社は投資家向けに企業や国債の格付けを表明し、その企業の信用力を数値化する役目があります。格付け会社は独立したものでなければなりません。

しかし、企業や国は高い格付けがあれば資金調達もしやすくなるため、手数料を支払って格付けをもらうという少し歪んだ構造になっている問題についても切り込んでおります。

投資の世界でよく目にする格付けについて学んでおいて損はないと思うので興味のある方は是非読んでみてください。

 

②巨大投資銀行 バルジブラケット

主人公は、米投資銀行での出世競争を勝ち抜きながらも、ついには祖国に戻り邦銀再生に立つ桂木英一。竜神宗一は、裁定取引(アービトラージ)で巨額の利ざやを稼ぐ伝説のディーラーだ。史実と重なる企業買収劇や経済事件の顛末はもちろん、事実報道のみではうかがい知れないであろう、当事者たちの心の内をも描き出していく。

 

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 こちらはゴールドマンサックスやソロモンブラザーズなど投資銀行がどのように巨額の利益を出してきたのが描かれています。主人公は二人おり、それぞれの視点で物語が進んでいきます。

桂木英一は企業買収や企業再生などのM&Aに関する物語、竜神宗一はノーベル経済学賞を受賞した学者たちが巨額を稼いだアービトラージ裁定取引)を使って莫大な金額を稼ぐ姿が描かれています。

利益を出す手法や過程、それぞの苦悩なども描かれており、二人の主人公が全く違うので一冊で二つの物語が楽しめたのも良かったです。

 

③ 獅子のごとく 投資銀行日本人パートナー

勤務する東立銀行に実家を破綻処理された若き銀行員・逢坂丹。カネに対する執着心を滾らせて米系投資銀行に移籍し、バブル期の日本に舞い戻る。昼夜を分かたず取引に狂奔しながら権謀術数を駆使し、社内のライバルを蹴落としてゆく。世界に君臨する巨大米系投資銀行でのし上がる日本人の虚像と実像を迫真の筆致で描く。

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実家の事業を銀行の融資打ち切りにより潰された主人公、逢坂丹が邦銀に見切りをつけて米系投資銀行へ移籍し、成り上がっていく姿が描かれています。

よくネットでは外資系金融は激務だと書かれていますが、そのリアルな姿が描かれています。さらに手段を選ばずあの手、この手で蹴落としていく姿も読み応えがあります。

個人的にラストの展開は結構衝撃的でしたが、納得のいく終わり方です。外資系金融の内部を知りたい方にもオススメの作品です。

 

以上3作品紹介しました。今回は黒木亮さんの作品のみになりましたが、3作品とも読んで後悔はないと思います。今後もオススメの作品があれば紹介をしていきたいと思います。